結論から書きます。医師臨床研修マッチングは、医学部6年生(と既卒者)と、研修病院の研修プログラムを、お互いの希望順位をもとにコンピュータで組み合わせる仕組みです。
2026年度は、6月4日に参加登録が始まり、9月25日の中間公表を経て、10月22日に結果が発表されました。
流れは「参加登録 → 病院見学・採用試験 → 希望順位登録 → 結果発表」の4段階で、どの段階にも「締切」があります。この記事では、公式の日程と数字をもとに、全体像を整理します。
名古屋大学医学部6年のNです。6年生にとってマッチングは避けて通れない行事なので、これから準備する5年生・4年生の人にも分かるように、できるだけ順番に書きます。
マッチングとは?2年間の研修先を決める仕組み
医師国家試験に合格して医師免許を取っても、すぐに一人で診療するわけではありません。厚生労働省の通知では、診療に従事しようとする医師は、2年以上、大学病院または臨床研修病院で臨床研修を受けることが義務付けられていると説明されています。この「初期研修」をどこで受けるかを決めるのがマッチングです。
マッチングは、臨床研修が必修になった平成16年度に合わせて導入されました。運営しているのは医師臨床研修マッチング協議会です。
- 参加者:医学部6年生・既卒者
- 参加病院:大学病院・臨床研修病院
- 決め方:参加者は行きたい研修プログラムに、病院は採用したい参加者に順位をつけて登録し、その順位表をもとに一定の規則(アルゴリズム)でコンピュータが組み合わせを決める
協議会のスケジュールのページでは、参加者は「入職(研修)しても良いと思う研修プログラムのみ」登録するよう案内されています。病院側も「採用しても良いと思う参加者のみ」を登録します。
6年生の立場から一番大事だと思うのはここで、順位表に書いたプログラムは、そのまま結果になりうるということです。「念のため」で行く気のない病院を書くのは避けたほうがいい、というのが公式の案内から読み取れることです。
2026年度のスケジュール(公式日程)
医師臨床研修マッチング協議会が公表している2026年度のスケジュールです(参加者側)。
| 項目 | 日時(2026年) |
|---|---|
| 参加登録 開始 | 6月4日(木)14時 |
| 参加登録 締切 | 7月30日(木)14時 |
| 希望順位登録 受付開始 | 9月10日(木)14時 |
| 中間公表前の締切 | 9月24日(木)14時 |
| 中間公表 | 9月25日(金)14時 |
| 希望順位登録 最終締切 | 10月8日(木)14時 |
| 組み合わせ結果発表 | 10月22日(木)14時 |
公式ページで強調されているポイントは次のとおりです。
- 参加登録は、出身大学の事務局から参加登録用のID・パスワードを受け取り、マッチングシステムで行う
- 締切はどれも14時ちょうどで、作業の途中でも締め切られる。端末の不具合や病気など、どんな理由でも締切後の登録はできない
- 中間公表では、各研修プログラムを第1希望に登録している人数を見ることができる
- 中間公表のあとも、最終締切までは何回でも希望順位の登録・変更ができる
なお、この記事を書いた2026年11月3日の時点で協議会のサイトに載っているのは2026年度のスケジュールです。来年(2027年度)の日程は、発表されたら必ず公式ページで確認してください。
マッチングの流れを4ステップで整理
1. 参加登録(6〜7月)
大学の事務局から届くID・パスワードで参加登録をします。2026年度は6月4日〜7月30日でした。ここを逃すとマッチングに参加できないので、大学からの案内メールは見落とさないようにしたいところです。
2. 病院見学・採用試験(病院ごと)
採用試験の日程や内容は病院ごとに決まっています。協議会のサイトにも「6年生・既卒者へのお知らせ(病院見学、採用試験日程等)」の欄があります。
大事なのは、公式の案内で希望順位に登録できるのが「選考を受けた研修病院」のプログラムとされている点です。つまり、採用試験を受けていない病院は順位表に書けません。行きたい病院の試験日程は、病院の公式ページで早めに確認しておく必要があります。
3. 希望順位登録と中間公表(9〜10月)
選考を受けた病院の中から、行ってもいいプログラムだけを順位をつけて登録します。2026年度は9月10日に受付が始まり、9月25日に中間公表、10月8日が最終締切でした。中間公表で第1希望の人数を見て、順位を見直すことができます。
4. 結果発表とその後(10月下旬)
2026年度の結果は10月22日14時にマッチングシステムで発表されました。協議会のサイトには、アンマッチだった場合の対応についての案内や、2次募集の採用試験日程についてのお知らせも掲載されています。結果が出たら、まず公式の案内を読むのが確実です。
数字で見る2026年度の結果
厚生労働省が2026年10月22日に公表した資料(医師臨床研修マッチング協議会「令和8年度 研修医マッチングの結果」)の数字です。
| 項目 | 2026年度(令和8年度) |
|---|---|
| 参加者数 | 10,079人 |
| 希望順位登録者数 | 9,789人 |
| マッチ者数 | 8,939人 |
| マッチ率(希望順位登録者に対する割合) | 91.3%(前年度92.3%) |
| 参加病院数 | 1,025病院(研修プログラム1,483) |
| 募集定員 | 10,550人 |
募集定員(10,550人)は希望順位登録者数(9,789人)より多いので、全体として席が足りないわけではありません。それでも、希望順位を登録した人のうち約9%(850人ほど)はマッチしていません。行きたい病院が人気のプログラムに偏ると、こういうことが起こりうる、ということです。
また、大都市部の6都府県(東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県)を除く41道県の内定者は5,448人で、全体の60.9%(前年度60.2%)でした。
これから準備する人へ:公式日程から逆算する
2026年度の日程を当てはめると、6年生の6〜7月に参加登録、9〜10月に希望順位登録です。採用試験を受けた病院しか順位表に書けないので、見学や試験はそれより前に済ませる必要があります。私が6年生として、これから準備する人に伝えたいのは次の4つです。
- 大学事務局からの案内を見逃さない(参加登録のID・パスワードは大学経由)
- 締切は14時ちょうど。前日までに終わらせるつもりで動く
- 採用試験の日程は病院の公式ページと協議会のお知らせで確認する
- 順位表には、本当に行ってもいいプログラムだけを書く
このブログでは、病院見学の申し込み方や医師国家試験の日程など、医学生・研修医が検索しそうな問いを、公式情報で確認しながら一つずつ書いていきます。
参考
- 医師臨床研修マッチング協議会「2026年度医師臨床研修マッチングスケジュール」
- 医師臨床研修マッチング協議会(トップページ:お知らせ、結果資料)
- 厚生労働省「令和8年度の医師臨床研修マッチング結果をお知らせします」(2026年10月22日)
- 医師臨床研修マッチング協議会「令和8年度 研修医マッチングの結果」(PDF)
- 厚生労働省「研修医マッチングの結果」(PDF)
- 厚生労働省 医師臨床研修制度の通知(臨床研修の義務について)
※個人の体験と、公開されている情報に基づく内容です。制度や日程は年度ごとに変わるため、最新の情報は公式の発表で確認してください。
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